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性に溺れる私
第1章 【先生とイケナイ契り】
何事もなかったかのように乱れた服と髪を直す。
パチン…と制服のリボンを止めたら笑顔でこう言うの。
「それじゃ、先生さようなら」
「おう、気をつけて帰れよ」
気だるそうに手を上げて私を見送る彼は高校の教師。
生物学担当、29歳。
普段は白衣を着ていて無愛想。
生徒人気はあまり無く、カタブツ教師を貫いている。
今さっきまで激しく私を抱いている最中も左手には決して外さない指輪が光る。
先生は結婚してる人。
今、奥さんは妊娠中らしい。
もうすぐ産まれるんだってさ。
俗に言うゲス男だね。
そんな先生との出逢いは2年生になってすぐだった。
臨時教師として赴任してきた先生は「宜しく」とだけの短い挨拶で私のクラスにやって来た。
「藍沢玲奈」
出席確認で名前を呼ばれただけなのに目が合った瞬間、心の底から疼いた。
眼鏡のフレームが光り冷たい印象が残る。
だけどその一瞬で私は鷲掴みされたのだ。
元々成績は良かった私がこうして一人呼び出され面談をしてもらえることになったのも思惑通りなわけで。
授業以外は白衣を着ない先生。
ノーネクタイのラフなシャツスタイル。
細身のスラックスも背丈に合っている。
「で、藍沢。そんなに俺の授業が分かりづらいか?これだけ成績がガタ落ちするのは極端過ぎるぞ」
どうしたものか…と頭を抱えてる。
俯いて考え込む姿もセクシーに感じてしまう。
もっと困って……?
頭の中が私いっぱいになればいいのに。
そう思いながら先生を見つめていた。
「毎回ちゃんと授業受けてたろ?ずっと前見ててノート取らないから全部頭に入ってる天才型だと思ってたんだけどな」
「天才だなんて……」
「前の教科担当からもそう聞いてたから。常に成績は上位をキープしてるって……俺になった途端これかよ」
「自信なくなります?」
「どこが分からないのか教えてくれ、分かるまで教えるから」
「補習……ですか?」
「まぁ……お前のプライドが許さないかも知れないが俺にもプライドってもんがあるからそこは徹底的にやらせてくれ」
「プライドだなんてないですよ……まぁ、分からないというか理解に苦しむところは正直ありますけど」