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私は性欲モンスター
第8章 依存性
電話で予約してから一ヶ月、初診の日が来た。
物凄く緊張した。セックス依存症だと認められるのが怖かった。でも心の奥底では認めて貰
って早く楽になりたい気持ちもあった。
病院に着くと待ち合い室で少々待ってくださいと言われ、私は待った。
時間が長く感じる。もう一時間は待ったのではないか。いやまだ三十分も経っていなかった。
しばらくして名前が呼ばれた。私の名前だ。
案内されるがままに部屋に入ると臨床心理士が居た。
臨床心理士は私の生い立ちを聞き始める。
私は生まれてから現在までをゆっくり話した。何故か言葉を選んでいたかもしれない。
臨床心理士は慣れた様子で私の話を聞いていた。時間はあっという間だった。
話が終わり、また待ち合い室で待つ。今度は主治医の診察だ。
しばらくしてまた私の名前が呼ばれた。
さっきとは違う部屋に入ると先生が居た。
私はまた話す。殆ど臨床心理士に話した事を。疲れてきたが徐々に頭が整理されてきた。
診断はやはり「セックス依存症」だった。
ただ、治しようがなかなかないらしい。
多数の男性とセックス出来ない環境を作ること。
これは先生が言ったわけでもなく、私自身がそこで気付いた。
結論としては、病院にはあまり行く意味がなかった。私は。
それから時が経った。
十年くらい前の春、明日も友人とセックスだとワクワクしていた。
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