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ブレインウォッシャー
第1章 掘り出し物
 ○○県立運動公園。ここでは毎月第一日曜日に大規模なフリーマーケットが開かれる。衣類、家電、食器等々。ゴミ同然の物からこんな安値でいいわけないだろと内心突っ込みを入れたくなる逸品まで様々な物がブルーシートの上に並べられている。玉石混淆とはここの為に作られた言葉だろう。
 俺は各ブースをひやかして回る。特にお目当ての物が有るわけではない。そもそもここで買い物をする気は更々ない。ただの暇潰しだ。
 空は高く澄み風は爽やか。絵に描いたような五月晴れ。家でゴロゴロしているのが勿体なくて散歩してたらフリマに出会したってだけ。
 暫く歩いていると異様な雰囲気のブースが在った。何に使うのか使用目的が全く想像出来ない奇妙な機械が山のように並んでいる。その機械に埋もる様に座って居るのは薄汚れた白衣を着た痩せた男。髪はボサボサ、目の下にはくっきりと浮かぶ隈。これで眼帯でもしてれば昭和時代のマッドサイエンティストだ。
 機械には名称と簡単な説明書が書かれた値札が付いてるが説明書読んでも何がなんだか理解出来ない。これ書いた人、文才なさすぎだ。
 さて、面白い物もなさそうだし次へ行くかと離れかけた足がふと止まる。目が一点に固定される。木箱に入った太めのペンの様な物。気にしなければただの棒で終わるものだが何故か気になる。値札には『ブレインウォッシャー。用途、催眠術。』とある。他の機械に比べて説明書は判りやすいが内容は完全な眉唾物だ。因みにお値段は百円。話のネタに買ってみるか。俺は財布を取り出した。
 後にして思ったのだが何故俺はこれを買ったのだろう。普段ならこんな物見向きもしない筈だ。まるでこれに呼ばれた様な気がしないでもない。まさか、俺は今催眠術にかかってるのか?馬鹿馬鹿しい。何が催眠術だ。同じ催眠術でも五円玉の振り子やジッポの炎の方が信憑性がある。
 木陰が落ちるベンチに腰掛け木箱を開く。入っているのはペラ紙の取説と長さ15㎝程の直方体の棒、そして奇妙な耳栓一対だ。断面は一辺2㎝弱の正方形だ。長方形の各面にはAからDと書かれた釦が一つづつある。釦の反対側のキャップを外すとUSBが出てくる。これで充電するらしい。

 
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