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わたしを見ないで
第3章 まさかの再会
 恐る恐る見上げると、先生は上からわたしを冷めた目で見下ろしていた。

 こうして間近で見ると改めて感じるが、八田先生はマジで顔がかっこいい。エクアドルかどっかのハーフだとかで、ラテンっぽい濃い男前だ。
 顔面に関しては非の打ち所がない。
 さすが生徒に「無駄に男前」と陰口叩かれるだけある。しかしこの顔面ですら【かっこいい=憧れる、好き】って感情を抱かせない先生の人間性は敬服に値する。
 
 わたしの胸中を知るはずのない先生は口元を無常に歪ませて言った。


「大丈夫、おれ風呂入ってきたよ」


 呆気にとられた。
 面接での店長の言葉を思い出す。
『10人中8人は痴呆老人くらいにはシャワーを渋るけどね、絶対連れてかなきゃだめだよ〜明るいとこで洗ってるふりしてチンチンに異常ないかとか、皮膚に発疹がないかさりげなく調べるんだよ〜』


 わたしのこめかみを汗がツーッと垂れた。
 まさか八田先生が10人中8人の8人の方だったとは。
 おまえ中学んとき散々校則守れ社会の決まり守れって言ってたじゃんおまえが一番風俗の決まり守れよ…
 と心のなかで思っているうちに、わたしの身体がフワッと持ち上がった。


 何が起こったのか理解したのは、八田先生にベッドに放り投げられたときだった。


 動揺してるわたしのスキをついてわたしを抱えあげ、ベッドに放り投げるように寝かせ、その上からわたしに覆い被さってきたのだ。


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