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わたしを見ないで
第5章 新人キラー
「どうせわたし来月半ばから、半月くらい店を休むんだ。
二重と鼻筋の整形するから」
アウトコールのあと、ヒールを穿きながらわたしはドアを開けようとしてる篤志くんの逞しい背中に言った。
「正直…半月のあいだ誰にも会えないのがキツい。篤志くんが会いに来てくれたら心強いんだけどな」
篤志くんは黙り込み、しばらく何も言わなかった。
「なんで整形するの?ブスだから?」
やっと口を開いた篤志くんは、とんでもなく失礼だった。ホテルのフロントを通り過ぎながら、わたしは篤志くんの背中を叩いた。
「うるさいなぁ!その通りに決まってるけど!」
「ふーん。鼻と目ね…。
おれ、顔だけは良いからブスの気持ちが分からないんだよね」
さすがにカチンときた。
篤志くんは涼しい顔でサッサと歩いて行く。
何を考えてるかまったく分からない。
「ま、別にいいよ。会いに行ってやっても。
でもおれ、もう二度と君に金払わないからね」
店が入る雑居ビルの前まで篤志くんは送ってくれた。
わたしを見下ろす篤志くんはいつになくやけに高圧的だ。
「とりあえずまたLINEするね」
わたしは別れの挨拶のつもりで篤志くんに言った。
LINEはついさっきホテルで交換した。
でも篤志くんは首を横に振った。
「君が清算終わるまで、そこのコンビニで待ってるよ」
「…えっ?」
「メシ食いに行こうよ。どうせ明日休みだし」
驚いてるわたしに篤志くんが、
「誰かと一緒にメシ食いたいんだろ?」
初めてわたしに屈託ない自然な笑顔を見せてくれた。
二重と鼻筋の整形するから」
アウトコールのあと、ヒールを穿きながらわたしはドアを開けようとしてる篤志くんの逞しい背中に言った。
「正直…半月のあいだ誰にも会えないのがキツい。篤志くんが会いに来てくれたら心強いんだけどな」
篤志くんは黙り込み、しばらく何も言わなかった。
「なんで整形するの?ブスだから?」
やっと口を開いた篤志くんは、とんでもなく失礼だった。ホテルのフロントを通り過ぎながら、わたしは篤志くんの背中を叩いた。
「うるさいなぁ!その通りに決まってるけど!」
「ふーん。鼻と目ね…。
おれ、顔だけは良いからブスの気持ちが分からないんだよね」
さすがにカチンときた。
篤志くんは涼しい顔でサッサと歩いて行く。
何を考えてるかまったく分からない。
「ま、別にいいよ。会いに行ってやっても。
でもおれ、もう二度と君に金払わないからね」
店が入る雑居ビルの前まで篤志くんは送ってくれた。
わたしを見下ろす篤志くんはいつになくやけに高圧的だ。
「とりあえずまたLINEするね」
わたしは別れの挨拶のつもりで篤志くんに言った。
LINEはついさっきホテルで交換した。
でも篤志くんは首を横に振った。
「君が清算終わるまで、そこのコンビニで待ってるよ」
「…えっ?」
「メシ食いに行こうよ。どうせ明日休みだし」
驚いてるわたしに篤志くんが、
「誰かと一緒にメシ食いたいんだろ?」
初めてわたしに屈託ない自然な笑顔を見せてくれた。