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わたしを見ないで
第4章 指名返し
「かわいいね」「きれいだよ」「好きになりそう」
わたしをその気にさせて本番を狙う手口だと分かっていても、そんなこと今まで一度も言われたことのなかったわたしには客から言ってもらったコトバは価値のあるものだった。
好きな人には一度も言ってもらえなかった言葉を客に言ってもらうなんて皮肉だ。
お母さんと高校時代の友達にだけメッセージを返信して、そのあとシティヘブンでお礼日記を書いて…春山をブロック削除してから、スマホを床の上に置いた。
泣いたから瞼が重い。
何度もガシマンされたアソコが痛い。
1日中いじくられた乳首が痛い。
もう一度思い出して、今度こそ起き上がった。
先生にもらった五千円札の存在を忘れていたのだ。
四つ折りになった五千円札を天井のシーリングライトに透かし、樋口一葉を眺める。
いつかお金が溜まったらおしゃれなライトを買いたいなと思いながら財布にしまいこんだ。
それからわたしはまた思い出して立ち上がり、カウンターキッチンの中に移動した。
シンク横に置きっぱなしだったピルケースを手に取り、今日の分を水道水で飲み下す。
当たり前のように中出ししてきた相手を思い出しながら口端に垂れた水滴を袖で拭って…
わたしは、もう一度泣いた。
わたしをその気にさせて本番を狙う手口だと分かっていても、そんなこと今まで一度も言われたことのなかったわたしには客から言ってもらったコトバは価値のあるものだった。
好きな人には一度も言ってもらえなかった言葉を客に言ってもらうなんて皮肉だ。
お母さんと高校時代の友達にだけメッセージを返信して、そのあとシティヘブンでお礼日記を書いて…春山をブロック削除してから、スマホを床の上に置いた。
泣いたから瞼が重い。
何度もガシマンされたアソコが痛い。
1日中いじくられた乳首が痛い。
もう一度思い出して、今度こそ起き上がった。
先生にもらった五千円札の存在を忘れていたのだ。
四つ折りになった五千円札を天井のシーリングライトに透かし、樋口一葉を眺める。
いつかお金が溜まったらおしゃれなライトを買いたいなと思いながら財布にしまいこんだ。
それからわたしはまた思い出して立ち上がり、カウンターキッチンの中に移動した。
シンク横に置きっぱなしだったピルケースを手に取り、今日の分を水道水で飲み下す。
当たり前のように中出ししてきた相手を思い出しながら口端に垂れた水滴を袖で拭って…
わたしは、もう一度泣いた。