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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第11章 悲歌
 ソファは自分から燃えるような緋色を選んだ。真冬に凜として咲く紅椿は、あたかも鮮血のような色合いをしている。長かった忍従の日々に終わりを告げる今夜は、この色こそがふさわしい。これはイ・ヒョルが流す血の色なのだ。そんな覚悟を秘めて選んだ色だった。
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