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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第11章 悲歌
 女官が紅筆でソファの唇に丹念に紅を載せると、懐紙を銜える。歯に紅がつかないためだが、鏡の中の女は透き通るような雪肌に、唇だけがひときわ鮮やかに際立っていた。
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