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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第16章 雪の日の客人
 ただ一日を暮らしてゆくだけの稼ぎがあれば十分だったのだ。その気になれば、王族の奥方にも紹介状を書こうとまで領議政は言った。けれども、その厚意をも明華は断ったのだ。王室や王族といった華やかな世界と拘わる気は一切なく、自分はただ下町でたまに訪れる客の観相をしていられれば十分だと思っている。
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