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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第18章 清浄の音~未来へ
「その鈴を少しだけ、貸してくれませんか?」



 娘が鈴を握りしめた。



「これは、あたしの大切なものだから」



 明華は真摯な面持ちで告げた。



「今、困っている人がいるの。その人は、どうしても、この鈴が必要なんです。だから、少しだけで良いので、鈴を私に貸して貰えませんか」
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