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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第4章 接近
 彼の纏う穏やかさは春ではなく、例えるなら冬の透明な陽差しのようだ。うららかに降り注ぐ陽光ではなく、どこまでも哀しいほどに透明な冬の光である。それは彼の穏やかな双眸の奥底に宿る諦めとも何ともつかない、翳りにも通ずるもののように思われた。
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