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第4章 接近

　この男自身が何か深い懊悩に囚われ、傷つき、そこから逃れたがって、のたうち回っている。そのことにより、更に深く傷ついている。そんな感じだ。冬の陽だまりは春のそれとは違い、ほんのりと温かいけれど、身体の芯までを温めてはくれない。それでも、凍てついた寒風に吹きさらされた後、人は温かな日向に身を置けば、思わずホッとして心身が解(ほぐ)れる。