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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第40章 空を見上げて
 明華は白鈴を腕に抱え、扉を押して家に戻る。だだっ広い板の間がひと間と押し入れ代わりの小さな納戸、煮炊きの出来る厨房があるだけの襤褸家である。でも、明華にとっては住み慣れた我が家であり、顔も知らない、明華が生まれる前に亡くなった父が母と暮らしていた家であった。
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