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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第46章 相克

その結果、宜佑皇子が産まれたということだろう。
宜佑がまた遠い眼で呟いた。
「とても優しい母だった。芙蓉の花のように色白の美しい女でー。でも、亡くなる何年か前に身体を壊して、寝付いてしまった。そうなってから、皇帝陛下は手のひらを返すように母を見向きもしなくなった。寵愛を失った妃の末路なんて、哀れなものさ。それでも母はいつか父上が来てくれるのではないかと、毎日、皇帝陛下の訪れを心待ちにしていたよ。結局、父は母が亡くなるまで一度も見舞いに来たことはなかったが」
宜佑がまた遠い眼で呟いた。
「とても優しい母だった。芙蓉の花のように色白の美しい女でー。でも、亡くなる何年か前に身体を壊して、寝付いてしまった。そうなってから、皇帝陛下は手のひらを返すように母を見向きもしなくなった。寵愛を失った妃の末路なんて、哀れなものさ。それでも母はいつか父上が来てくれるのではないかと、毎日、皇帝陛下の訪れを心待ちにしていたよ。結局、父は母が亡くなるまで一度も見舞いに来たことはなかったが」

