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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第48章 永遠
明華は息を整え、ひと息に言った。
「朝鮮は清の冊封国にすぎません。とても弱い立場です。当代の皇帝陛下が我が国に美しい娘を差し出せと命じられた時、朝鮮が歓んで従ったとでも?」
宜佑は応えない。明華は続けた。
「清は遠い異国です。しかも清の後宮に入れば、二度と朝鮮の地を踏むことは叶わないでしょう。住み慣れた故郷を離れ、親しい人々と永の別れを交わさねばなりません。それが判っていながら、進んで自分の可愛い娘を差し出す親がどこにいるでしょう?」
「朝鮮は清の冊封国にすぎません。とても弱い立場です。当代の皇帝陛下が我が国に美しい娘を差し出せと命じられた時、朝鮮が歓んで従ったとでも?」
宜佑は応えない。明華は続けた。
「清は遠い異国です。しかも清の後宮に入れば、二度と朝鮮の地を踏むことは叶わないでしょう。住み慣れた故郷を離れ、親しい人々と永の別れを交わさねばなりません。それが判っていながら、進んで自分の可愛い娘を差し出す親がどこにいるでしょう?」