この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第48章 永遠
「正直言うと、母は満更、俺が思うほど清で哀しんだわけではなかったのかもしれない。俺の母は皇帝陛下を心から慕っていたように見えた。両班の娘として生まれながら、朝鮮では賤しい芸人の子と蔑まれる生活だったのに、清では皇帝の寵妃として時めき、高い位階も与えられた。人の幸せなんて、当人にしか判らないものなんだろう。俺はそのことが判っているのに認めたくなくて、母の祖国を憎むことで、俺なりの応えを見つけようとしたんだ」
宜佑の母が清の皇帝を恋い慕っていたー。息子の宜佑から初めて聞く話に、明華は少し心が軽くなる想いだった。
宜佑の母が清の皇帝を恋い慕っていたー。息子の宜佑から初めて聞く話に、明華は少し心が軽くなる想いだった。