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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第6章 新月
 見憶えのある紫檀の扉が開き、ソファは六日前と同じように寝所に足を踏み入れた。




 室内はこの前と何ら変わりない。奥に大きな天蓋付きの寝台が置かれ、帳が降りているのも同じだ。寝苦しいほどの暑熱を残す夏の夜とて、窓が開いているのか、降りた薄絹がかすかに揺れている。
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