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† 姫と剣 †
第7章 決意

扉の外。
リューイは依然として頭を抱えながら、部屋からのルシアの甘い声に耐え忍ぶ。
まるで強い恐怖を感じているかのように、体が震えて止まらない。
「君ってマゾヒストなの…?」
「───────…!」
突然、声が降ってきたことに驚いたリューイは、顔を見上げる。
短髪の黒髪。
「どーも!」と片手を上げて挨拶をしたウィルに、リューイはカッと目を見開いて即座に立ち上がる。
「貴様っ……どこから」
「どこからって、普通に廊下を歩いてきただけだよ」
肩をすくめたウィルの瞳は今日もまるでガラス細工のように光る。
「君が気付かないだなんて……よっぽどこれが応えているんだね」
親指を部屋に向けたウィルは、ハハと笑う。
「てか、それじゃあ護衛にもならないし、ここにいる意味なく無い?」
返す言葉が見つからず、黙り込むとウィルが首を捻った。
「やっぱり君、マゾヒスト?」
「……何をしに来た」
リューイは、そのまま剣を構えてウィルに凄むが、ウィルはやはり動じない。
それどころか、ハハハと笑っている様に、リューイはさらに剣を突き出した。
「邪魔しに、かな〜?」
「邪魔……」
「うん」と返事をしたウィルはそのまま先ほどまでリューイが座っていた場所に腰を下ろした。

