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† 姫と剣 †
第7章 決意



「気を失わせちゃうなんて。俺が女の抱き方教えてあげようか?」


「いい加減にしろ!!」


「あぁでも、気を失うくらい気持ちよかったってことかな?」




激昂するロイに、ウィルは微笑む。


そして、リューイの方に顔を向けた。




「よかったね、最後までしてないってさ」



つられて、顔を向けたロイはグッと剣のグリップを握っているリューイを睨みつける。




「小賢しい。今日阻んだところで意味がないだろ」



「……そいつが勝手に部屋に入っていったんだ」



「お前の護衛を破ってか…?」




ロイの問い掛けに、リューイは押し黙る。


ウィルを止めようと思えば止められた。


それは確かなことで、リューイ自身もそれは分かっている。


ロイとリューイのやり取りの隙に、すっとロイから逃れたウィルは、二人の間に入って腕を組む。




「本気なんだね、ロイ」


「そうです。ですから、いい加減諦めていただきたい」


「何を?」


「何をって……ルシア姫ですよ」




イライラしながらロイが答えると、ウィルはまたフフっと笑った。




「ロイは分かってないなぁ」


「何がですか!」


「本気だって言うなら優しい兄貴からのアドバイス!」



フッと体を横にずらしたウィルは後ろのリューイを掌で指し示す。




「やっぱりこいつの事、解決した方がいいと思うよ」


「─────────…」




その瞬間、ロイとリューイは目を合わせる。




「はぁ、疲れちゃった。もう寝るね、俺」




散々場を掻き乱したウィルは気ままにそう言って、その場から去っていった。


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