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† 姫と剣 †
第7章 決意
「守るのは……なんだ?」
ロイの問い掛けに、リューイは頭を振る。
そして、その茶色い瞳をロイに向けた。
「姫を……傷付けないと誓うか」
「当たり前だ」
真剣な眼差しが絡む。
最初は得体の知れない異国の王子だった。
強引にルシアを攫い自分のものにしようとしていた。
だが…
今は人が変わったようにロイは穏やかで、誠意を見せている。
ルシアとの日々がそうさせたのだということは、常に側にいるリューイなら分かることだ。
きっとロイはルシアを裏切らない。
口だけではないのだろう。
「少し考えさせてくれ」
リューイの言葉に、ロイは「あぁ」と返事をする。
「『姫と騎士』という垣根を越える覚悟がお前にないのなら、離れるのが1番皆が幸せになる」
「……………」
廊下奥へ、ロイが姿を消す。
その背中をリューイは、見えなくなるまでじっと見つめていた。