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† 姫と剣 †
第3章 決闘
儀式の翌日。
今日も太陽が燦々と輝く良い天気の中、ルシアとリューイは宮殿裏の広い庭にいた。
ルシアはそのさらに奥に広がる森を見つめる。
街とは正反対の方向。
絶対に奥には行ってはいけない─────
ローハーグの森の奥には、凶暴な生き物と
そして、
魔女が─────
「こんなところで何をしているの? ルシア」
耳にまとわりつくような、少し低めの声に、ルシアは体を微かに体を震わせて声の方を向き直ると、そこには叔母のマリーが立っていた。
「マリー叔母様……」
「森に……興味が…?」
「いえ、ただ、ぼんやりと眺めていただけです」
ルシアの返答に、クククとマリーが笑う。
「そう。まぁ興味があっても、中には入っちゃダメよ。危ないんだから」
不気味に笑うマリーは、そのままルシアの後ろに佇むリューイを見る。
「………よくもまぁ、再びその地位に這い上がったわね」
マリーの、まるでリューイを知っているかのような口ぶりに、ルシアは眉を顰める。
リューイの家系は、代々近衛の家系であるランドルト家と聞いた。
マリーは、それで知っているのかもしれない。
リューイは、その場に跪いたまま、黙り込んでいる。
反応を示さないリューイを面白くなさそうに見つめたマリーは、じゃあ、とだけ言って、その場から去っていく。
マリーがいなくなった後、リューイは立ち上がるとルシアのことをチラと見た。
「姫、マリー様のおっしゃる通りです。森は…危険です」
「別に、森には行かないわ」
そう言って、ルシアは隅に用意していた剣を2つ手に取った。