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† 姫と剣 †
第3章 決闘
両手にそれぞれ剣を掴むと、ルシアは片方をリューイの方へと投げた。
それを素早くキャッチしたリューイはその剣を眺める。
「これは……木剣……」
「ええ、そうよ」
「……一体、これで何を」
リューイの問い掛けにルシアは自分の剣を振りながら、「決まっているじゃない」と言葉を発する。
「決闘よ…リューイ」
「決闘………」
「ええ、相手して」
ルシアの言葉に、リューイは片眉を上げる。
「何をおっしゃいますか。私の仕事は姫を守ること。お怪我をさせてしまったら元も子もありません」
「怪我? 随分な自信ね────」
リューイの方へ駆け込んだルシアはリューイへと剣を突き出す。
リューイは、それにハッとして瞬時にその剣を受けた。
「姫……」
「護衛なんかいらない」
風でルシアの長い髪が横に靡く。
ルシアはリューイを見つめるのと同時に木剣を強く握る。
「私が勝ったら、その時は、あなたの護衛の任を解くわ」
「…………………」
「私より弱い護衛なんか、必要ないもの」
再びリューイに走り込んだルシアは、ふぅと息をゆっくりの吸う。
そして、高く舞い上がると、そのままリューイに剣を突き付ける。
木剣独特のコンという音が鳴り響く。
リューイにかわされても、ルシアはめげずに攻撃を続けていた。