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† 姫と剣 †
第4章 約束


ルシアを抱えながら、リューイはゆっくりと馬の歩みを進める。




「申し訳ありませんでした…」


「何故………謝るの」


「お守り出来なかったので」


「何を言ってるの……守ってくれたじゃない」




薬の効き目が切れてきたルシアは、リューイに微笑む。


それにリューイは納得がいかない様子の表情を見せる。


辺りはまだ薄暗いが、そろそろ朝を迎えようとしている。




「─────────……」




馬上、見つめ合う2人は互いに切なさから胸を締め付けられている。



ルシアは、薬から覚めてきたはずなのに、リューイを前にしてまた体が熱くたぎるのを感じていた。



「リューイ……」



「…………」



上目遣いで欲しがるようなルシアの表情に、リューイはゴクりと喉を鳴らす。


そして、目を逸らし、前方を見ると遠くで砂煙が立っているのを見てルシアに手綱を掴ませると、そのまま自身は馬から降りた。



甲冑の音がカラカラと響く。


そして、段々とみえてくる味方兵に目を凝らす。




「迎え……?」



「出る時にマヤに頼んだ兵かと」



そう言いながら、リューイは兵の数を目視で数えていく。


10名ほど…だ。少ない……


リューイは疑問に思ったその時、兵の塊でキラりと金属が光ったのが分かった。




「っ……!? 」




飛んできた弓矢をすかさず盾で防ぐと、リューイはそのまま剣を抜く。



「えっ……なに……!? 味方じゃないのっ…!?」


「どうやら違うようです」




ローハーグの兵に扮した敵国…か。


まさかアノア王国の残党……


ルシアは色々と考え巡らせるがそんな間も無く、兵が襲いかかる。




「死ねぇ!!」



叫びながらルシアに飛び掛かる兵をリューイが横から剣で薙ぎ倒していく。



「リューイっ……!!」


「くっ…」



状況が掴めないまま、複数の兵を相手にリューイは格闘を続けていた。




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