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† 姫と剣 †
第4章 約束
「お前に用はねぇ!」
そう叫びながら、リューイに槍が向けられる。
複数人、かつ馬上から攻撃。
流石のリューイも攻撃を避けるだけで精一杯になっている。
「そいつに構うな!! 姫を殺せ!」
号令と共に、標的がリューイからルシアへと変わる。
明らかに目的はルシア。
リューイは急いでルシアの元に近付くと、馬ごとルシアを下がらせて剣を振った。
「姫! 馬を走らせて、お逃げください!!」
「そんなっ……私も戦うわっ……」
「ルシア!! 早く!!!」
突然、呼び捨てで乱暴に叫ばれて、ルシアの身がすくむ。
それでも、リューイをここに置いていくことはできない。
「お前に用はないと言っているだろうが!! 邪魔だ!!!」
力一杯振り上げられた剣を受けたリューイの脇に隙が生まれる。
そこに、ヒュッと矢が飛んできて、リューイの脇腹に刺さった。
「リューイっ……!!!」
「っ……お逃げくださいっ…」
その状態で、剣を弾くと、馬に乗っていた兵士はそのまま弾き飛ばされて後ろへ退く。
「こいつっ……怪物かっ……」
複数人相手に、さらには傷を負いながらも全く怯まないリューイの姿に、敵が気圧されて後ずさる。
「姫は殺させない……」
「………まずい…っ…撤退だ!」
急に、その場から消えていく兵士を睨みつけるリューイの脇からぽたぽたと血が滴る。
「リューイっ……リューイ…!!」
馬から降りてルシアが駆け寄ると、リューイはまたルシアを守るように手を伸ばした。