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† 姫と剣 †
第4章 約束

「ローハーグ兵のフリをしてたっていう可能性は……」
「もちろん、ないわけじゃないけど。でも、あの言葉や訛り……。この国の者と考えるのがきっと正しい」
「国内にっ……ルシア様の命を狙う者って…」
「しかも、あのタイミングで奇襲を掛けてきたってことは……。簡単な相手ではないかも知れない」
ゴクりと、マヤが唾を飲む。
「これから、どうなさるんですか……?」
「とりあえず……今はリューイの快復を願うことしか」
ギュッと目を瞑ったルシアを見て、マヤはため息を吐く。
「何だか……儀式の後からドタバタですね……」
「……そう…ね…」
「ロイ王子は突然ルシア様を攫ったりするし…リューイは謎の敵にやられるし……」
「もう少し気を張らないと」
成人の儀はただの儀式というわけではなかった。
王位継承権を受けたということ。
それはやはりルシアに取っても、取り巻く人々にとっても大きな出来事、なのだ。
「戻りましょう」
ルシアの声掛けに、マヤが頷いたその時、奥からアマンダが「ルシアさまーーー!」と叫びながら近付いてきた。
「アマンダ! どうしたの?」
「はぁっ……騎士がっ…リューイ、が…」
「っ……何っ…!? リューイに何かあったのっ……」
慌てるルシアに、アマンダは息を整えながら微笑んだ。
「目をっ……覚ましました!」
ルシアは目を見開くと、そのままリューイの眠る病室に駆けていった。

