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† 姫と剣 †
第4章 約束
宮殿の中庭、
曇天の中、ルシアは白い花を見つめた。
リューイが倒れてから3日。
未だに彼は目を覚まさない。
つきっきりで看病をしていたルシアだったが、周りの勧めもあって少し息抜きにと中庭に出ている。
「ルシア様……大丈夫ですか」
「………………私は…大丈夫」
マヤの問い掛けに答えながら、ルシアは花の前にしゃがみ込む。
「あの日……私とリューイを襲った兵……」
「……えぇ」
「きっと……この国の兵だわ」
「……!? それはどういう事です!? リューイはアノアの王子と争った時にやられたのでは…」
いいえ、とルシアが首を振るう。
「ロイ王子から去って、味方が来たと思ったら……急に私たちに襲いかかってきたの」
「ルシア様! 何故それを早く言わないのですか!」
「誰の仕業か分からない以上、迂闊には話せないでしょ」
「で、ですがっ……」
「それに…そもそもロイ王子のことだって皆に言えないから、言い誤魔化しているのよ」
真っ当なルシアの言葉に、マヤははぁと息を吸ってなるほど…と呟く。
「でも……誰が…何のために…っ」
「彼らは……私を狙ってた」
「ルシア様を……」
ええ、返事をしてルシアは立ち上がる。
あの日、確かに『姫を殺せ』と叫んでいた。