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† 姫と剣 †
第4章 約束
はぁっ……と息を吐いたリューイは、咳き込むと、痛む傷口を抑えた。
「おぉっ……リューイ!」
「き、気が付いたっ……!」
何人もの人間が、自分を取り囲んでいる。
視界が霞む中、リューイは無意識にある姿を探す。
「ルシア……姫…は……っ」
「おいおい、そんな急に起き上がるな」
「姫はっ……無事か!!」
目を覚ました途端に、大声を出すリューイの肩を、医師が掴んだ。
「姫は無事だ。君のおかげでな」
「…………」
「すぐにここにいらっしゃるだろう。この3日間、姫様はずっと君の看病をしていたのだよ」
医師の言葉に、リューイは自分の身体を見つめる。
巻かれた包帯。
体はまだ少し熱く、熱があるのが分かる。
ゆっくりと状況を飲み込もうとする中、大きな音を立てて扉が開き、リューイは顔を上げた。
はぁはぁと息を切らせたルシアは、ベッドに座るリューイの姿を見て、じわりと涙を溜める。
「良かったっ……!!」
「……………姫」
リューイに駆け寄ったルシアは、思わずリューイのことを抱きしめる。
「良かったっ……ほんと…っ…良かったっ…」
「……………」
抱き締め返すべきなのか、リューイは自分の腕の場所に困っていた。