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† 姫と剣 †
第4章 約束
リューイが戸惑っているうちに、ルシアは顔を上げてリューイを見つめる。
鋭い、深緑の瞳からの眼差しに、リューイは、ゴクリと唾を飲む。
「もうっ……二度と……っ…無茶をしないで…」
「──────……」
「あなたに何かあったらっ…わたし…」
「………命を掛けて…あなたを守るのが、私の仕事です」
2人の纏う雰囲気に、周りは何故か釘付けになりながら、会話を聞く。
リューイは、行き場の失っていた腕を動かして、ルシアの頬に触れた。
「そんなのっ……────」
「────ご安心ください。私は簡単に死んだりしません」
リューイの緩い微笑みにルシアの胸がトクンと跳ねる。
ルシアは堪らなくなって再びリューイの胸に顔を埋め、また強く抱き締める。
それと同時に、リューイは、「つっ……」と小さくうめきながら顔を歪ませた。
「姫、あまり強くなさらずに、傷口が開いてしまいます」
医師が傍から止めると、ルシアはハッとしてリューイから体を離した。
「ご、ごめんなさい…っ。私ついっ……」
顔を紅くさせるルシアを見て、周りの侍女たちがクスクスと笑った。