この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ハニードロップ
第5章 人生のゴール
突然知らない電話番号から携帯に電話がかかってきて、博也くんの事務所に呼び出された。当然芸能事務所など来たことがない私はとても不安で、博也くんのことを探した。もちろん博也くんはいない。
「突然お呼び立てして申し訳ありません」
応接間みたいなところに連れて行かれて、そこで待っていたのは博也くんのマネージャーの利根さんだった。座ってくださいと勧められた高そうな革張りのソファーの前のテーブルの上に写真が置かれていた。
「……っ」
それは、博也くんと私が手を繋いで歩いている写真だった。どうやら芦屋くんのバーを出てタクシーに乗り込むところを撮られたらしい。外で一緒に歩いたのは、そこしかない。
「こ、これ、」
「来週発売の週刊誌に掲載されます」
覚悟がなかったわけじゃない。相手が相手だから、いつかこんなこともあるだろうと思っていた。でも、いざ現実となるとやっぱり怖かった。体がふわりと浮いて、まるでとても不安定なところに立っているかのような、そんな。
「北山さん、大丈夫ですか?」
よほど青ざめた顔をしていたのだろうか。利根さんが心配そうに顔を覗き込んでくる。
「突然お呼び立てして申し訳ありません」
応接間みたいなところに連れて行かれて、そこで待っていたのは博也くんのマネージャーの利根さんだった。座ってくださいと勧められた高そうな革張りのソファーの前のテーブルの上に写真が置かれていた。
「……っ」
それは、博也くんと私が手を繋いで歩いている写真だった。どうやら芦屋くんのバーを出てタクシーに乗り込むところを撮られたらしい。外で一緒に歩いたのは、そこしかない。
「こ、これ、」
「来週発売の週刊誌に掲載されます」
覚悟がなかったわけじゃない。相手が相手だから、いつかこんなこともあるだろうと思っていた。でも、いざ現実となるとやっぱり怖かった。体がふわりと浮いて、まるでとても不安定なところに立っているかのような、そんな。
「北山さん、大丈夫ですか?」
よほど青ざめた顔をしていたのだろうか。利根さんが心配そうに顔を覗き込んでくる。