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ハニードロップ
第1章 夢
「へー、俺のファンなんだ。嬉しい」
「いっ、いえ、世界一カッコイイので、ファンは数え切れないくらいいると思いますっ」
「世界一?はは、大袈裟だなぁ」
「お、大袈裟なんかじゃないですっ、私、ほんとにそう思ってます」
「そ?」
茶色い瞳がまっすぐに私を見つめる。私の頭の中はずっとパニックだ。だってずっと画面を通して見ていたから。この甘い瞳は、画面の向こうの遠い世界のものだった。
今、どういう状況?よく行くバーで大ファンの三木村さんに会って、そして隣に座って、更には一緒にお酒を飲んでいる。芦屋くんが作ってくれたカクテルだって全然味なんて分からない。
芦屋くんが呆れて冷たい目線を寄越してくる。私だって普段からこんなポンコツな訳じゃない。地元ではしっかり者の奈子ちゃんとして通っているのだ。
そもそも芸能人に会うだけでテンション上がるのに、それが大ファンの人だったらパニックになっても仕方ないと思うんだ私は。だからそんな、ゴミを見るような目で見ないでほしい。
「いっ、いえ、世界一カッコイイので、ファンは数え切れないくらいいると思いますっ」
「世界一?はは、大袈裟だなぁ」
「お、大袈裟なんかじゃないですっ、私、ほんとにそう思ってます」
「そ?」
茶色い瞳がまっすぐに私を見つめる。私の頭の中はずっとパニックだ。だってずっと画面を通して見ていたから。この甘い瞳は、画面の向こうの遠い世界のものだった。
今、どういう状況?よく行くバーで大ファンの三木村さんに会って、そして隣に座って、更には一緒にお酒を飲んでいる。芦屋くんが作ってくれたカクテルだって全然味なんて分からない。
芦屋くんが呆れて冷たい目線を寄越してくる。私だって普段からこんなポンコツな訳じゃない。地元ではしっかり者の奈子ちゃんとして通っているのだ。
そもそも芸能人に会うだけでテンション上がるのに、それが大ファンの人だったらパニックになっても仕方ないと思うんだ私は。だからそんな、ゴミを見るような目で見ないでほしい。