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悪魔から愛されて
第26章 気になる過去
「恵美!おはよう…もう体は大丈夫なの?」
京子が会社の入り口で駆け寄って来た。
「うん。おはよう京子、心配掛けてごめんなさい。今日から出社も出来るようになったから…もう大丈夫だよ。」
「よかった…営業部のみんなも、事故のこと聞いて心配してたよ…本当に良かったね。」
「うん。ありがとう」
営業部に着くと、マネージャーが笑みを浮かべて迎えてくれた。
「鈴木さん、元気になってよかった…龍崎部長も心配だったでしょうね…」
「マネージャー、ご心配をおかけして申し訳ございませんでした。また今日からよろしくお願いいたします。」
「無理はしないようにね…」
マネージャーのいつも優しい笑顔にホッとする。
マネージャーは思い出したように話し始めた。
「そういえば、鈴木さんは早乙女さんとお知り合いだったよね?急に今日、お打ち合わせになってね、来社するそうだよ…龍崎部長は今日不在だよね…?」
「はい。龍崎部長は今日は外出で不在と言ってました…。早乙女さんにお会いできるのは楽しみです!」
忙しく仕事をしていたが、もうすぐ就業時間も終わる頃だった。
「鈴木さん…。もう元気になったの?よかったね…」
突然後ろから声が聞こえて、驚いて振り返った。
「…早乙女さん!こんにちは…お陰様で元気になりました。」
「良かったね。」
早乙女さんは優しい笑顔で微笑んでくれる。
圭吾とは雰囲気は違うが、長身で整った顔はどこか似ているような気がする。
「今日は、邪魔者の龍崎も居ないから、恵美ちゃん、この後ご飯行こうよ…」
圭吾の顔が浮かび…返事に困っていると…
早乙女さんはクスッと笑いだした。
「大丈夫だよ…龍崎には僕から連絡済なんだ。怒りながら、後から来るって叫んでたよ…」
「有難うございます。それでは喜んでお伺いします…」