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悪魔から愛されて
第26章 気になる過去
早乙女さんにエスコートされ、静かなレストランに来ていた。
早乙女さんは常連のお客さんのようで、お店の方々もお知り合いのようだ…
「早乙女さん、いらっしゃいませ…今日は素敵なレディーとご一緒なんですね…」
「…うん。僕の大切な人です…っと言いたいところですが、友人の彼女なんです…」
お店の方は静かに微笑みを浮かべて、席に案内してくれた。
大人の雰囲気のお店に緊張する…
「恵美ちゃん、嫌いな物ある?」
「…いえ…ほとんどありません…」
「…そう、じゃあ、僕のお勧めで良いかな?」
「…はい。お願いします。」
早乙女さんは、慣れた雰囲気でオーダーしてくれた…
整った横顔に、心臓がドクンと鳴る…
…私、早乙女さんにドキドキしてる…どうしよう…
顔が赤くなってる…
すると、早乙女さんはクスッと笑った。
私の赤くなった頬に優しく触れる…
「…恵美ちゃん、可愛いね…そんなに緊張しないで…」
「さ…早乙女さん!」
「龍崎の大切な人じゃなければ、とっくに奪ってるんだけどね…」
「そ…そんな…冗談…言わないでください…」
ワインと美味しそうなお料理が運ばれてきた。
どれも、驚くほど美味しく幸せな気分になる…
私、早乙女さんに聞いてみたいことあるんだ…
聞いてもいいかな…?
「あ…あの…早乙女さんにお伺いしたいことがあって…」
「…うん。どんな事…?」
「早乙女さんは、龍崎さんと学生時代ご一緒ですよね…?」
「…うん。それがどうしたの…?」
「り…龍崎さんの…昔の…彼女とか…奥様とか…ご存じ…ですよね…?」
早乙女さんの顔が、急に真顔になり…
聞いたことを後悔する…
「ご…ごめんなさい…私…変な事…聞いてしまいましたね…」
「…いや…恵美ちゃん。教えてあげるよ…」