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悪魔から愛されて
第26章 気になる過去
「あ…あの…やっぱり…止めます…ごめんなさい…」
「…恵美ちゃん、教えてあげるよ…いや…知っておいた方が良いかも…」
早乙女さんは、ワイングラスを飲み干し、ゆっくり息を吐いた…
一度目を閉じた早乙女さんは、ゆっくりと瞼を上げて話を始めた。
「龍崎は学生時代から付き合っていた彼女が居たんだ。
彼女は龍崎に夢中だった。
後から分かったんだけど、彼女も前世でルシファーに憧れる天使だったようだ。
学校を卒業と同時に二人は結婚したんだ。」
「そ…そうなんですね…」
「でもね…龍崎は…君の存在に気づいてしまったんだ…」
「わ…私ですか…」
早乙女さんは笑みを浮かべて頷くと、また話を続けた…
真っすぐ見つめられると、心臓が鳴る…
「もちろん、恵美ちゃんは気づいて居ないと思うけど…
就活の時に、今の会社の説明会に来てるでしょ?」
「…はい」
「恵美ちゃんは急いでいたようで、入り口で男性とぶつかったのは、覚えているかな…?」
「あ…確か…遅刻しそうで焦って説明会に来たのは、覚えています。」
「その時に、ぶつかったのは龍崎なんだよ…」
「え…そんなに前に…私は龍崎さんに会っていたなんて…」
会社の説明会に、急いでいたのは覚えているが…
誰かにぶつかったの…なんか…少し…思い出したような気がする…
あ…そういえば…誰かが、散らばった資料を拾ってくれたんだ…