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悪魔から愛されて
第18章 双子の兄弟
「それでは、改めて…美人お二人に乾杯…」
お店を変えて、早乙女さんは明るく乾杯の挨拶をした。
京子は早乙女さんに夢中のようだ…
「早乙女さん、とても素敵ですね…。」
隣に座る龍崎部長を見ると、少し浮かない顔をしているような気がした。
早乙女さんと京子に聞こえない小声で話し掛けた。
「あ…あの…龍崎部長…どうかされましたか?」
「いや…何でもない。鈴木さん…早乙女は…」
何かを言いかけて止めたことが気になった。
暫くすると、京子がお化粧直しにトイレに向かった…
京子と話していた早乙女さんは、解放されて、ため息をついた…
京子の言葉の攻撃に、かなり参っているようだ。
私は申し訳ない気持ちでいっぱいになり謝った。
「早乙女さん、ごめんなさい。西条さんがずっと話していて…疲れましたよね。」
「大丈夫だよ…面白い女性だよね…気にしないで…」
早乙女さんは優しい笑顔で応えてくれた。
その時だった…
「鈴木さん…僕のことわかりませんか?」
何を言っているのかわからず戸惑う私に、龍崎部長が話し始める。
「僕は、前世で双子だったんだ。俺の弟だよ…」
…どういうこと…何言ってるの…?
早乙女さんは静かに話し始めた…
「兄、ルシファーは大天使だったんだ。その弟のミカエルが僕だよ。
僕たちは戦う運命になったけど、元は双子の兄弟なんだ…」
信じられない…
そんなことが現実にあることも…
「あ…あなたはミカエルの…生まれ変わりなのですか…?」
雰囲気は全く違うが、美しい顔はどこか似ている気がする…
「僕は、偶然を装って鈴木さんに会いに来たんです。
あなたの運命を伝えにね…それを、止めに来たのが兄なんです…
僕は信じられなかったけど…兄の愛の深さがわかりました。
あなたの気持ちが変わるまで待つそうですよ…」
「早乙女…余計な事ばかり言うな…」
早乙女さんはクスッと笑った…
「そうだ…龍崎にプレゼントがあるんだ…お前の大切な羽は治したよ…これも鈴木さんのためだったんだね…」