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悪魔から愛されて
第20章 新しい世界
鳥が鳴いている気配に目を覚ました…
…私…そうだ昨日…そのまま寝てしまったんだ…
隣には、いつものように龍崎さんの姿はない…
“カチャ…”
ドアの開く音が聞こえた…
「…えっ…龍崎さん…いる…?」
驚きながらドアを見ていると、シャワーを浴びた龍崎さんが、髪を濡らしたまま入って来た。
「…恵美…なんで驚いた顔をしているんだ…俺がシャワー浴びるのが珍しいのか?」
「い…いえ…いつも…目が覚めると…居らっしゃらないので…」
龍崎さんはクスッと笑った。
「そうだな…確かにいつも居なくなってたからな…」
頬にふわっと優しい感触がした。
龍崎さんの口づけだった。
急に恥ずかしくなり、顔が熱くなる…
「恵美…、何も変わっていないように思うが、新しい世界が今日から始まるんだ…」
「…新しい…世界…?」
「そう…。これから会社に行くと、君のことは誰も知らない…転勤で来たことになっている。以前の俺と同じような感じだな。」
「…そ…そうなん…ですね…」
「恵美は俺のフィアンセだ。俺に合わせていれば大丈夫だ…心配か?」
「いえ…龍崎さんが居てくれれば、大丈夫です。」
「龍崎さんじゃないだろ…。」
「け…圭吾さん…。」
「よくできました。」
不安はいっぱいだったが…
これが、私の選んだ答えなんだ…