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悪魔から愛されて
第20章 新しい世界
私は龍崎さんの車で帰る途中だった。
「あの…私の荷物は、どうなるのでしょうか?」
「家に着いたら確認しろ…」
…何を言ってるの…?
龍崎さんが家のドアを開けた…
「…えっ…」
何か違う…昨日までの部屋と…なんだろう…
部屋の奥に進むと、その意味が分かった。
私の服や荷物が、綺麗に置いてある…。
ずっとそこにあったように…
そして、一番確認したかった、私のジュエリーボックスがそこにあった。
この中には、健斗から貰った婚約指輪が入っていたはず…
箱を開けてみると…
“箱が無い…”
やはり…健斗の彼女がつけていた指輪は…ここにあった指輪だ…
私の様子を見ていた龍崎さんは、そっと後ろから私を抱きしめた。
「…恵美…俺は…お前を苦しめてしまったな…すまない…」
抱きしめられた腕が震えていた…
泣いているの…?
「圭吾…私こそ…あなたを苦しめてしまって…ごめんなさい…」
「…恵美…」
「私は…圭吾に会えて…幸せだよ…」
振り返った私の額に、圭吾は口づけた。
こんなにも…温かい
こんなにも…大切にしてくれる
こんなにも…愛してくれる
「…圭吾…私は、この運命に感謝しています。」