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異世界転生しなくても美女とハーレム
第6章 天敵あらわる
「あ~~、みんな。 座ったままで良いから、聞いてくれ」

部長の呼びかけに、社員が手を止めて注目する。

「時短勤務している大橋さんをカバーしてもらうために、今日からパートタイムの事務員さんに来てもらう事にした」

おおおーーー、と男性社員から歓声が上がる。

それもそのはずだ、部長の横にはアイドルも霞むくらいの美少女が立っているのだから。

男性社員の目の色が変わる、ただ一人、私を除いて。


部長の横に立っているのは、麻理だった。


(なぜ、麻理ちゃんがここに???)

私は動揺の色を隠しきれなかった。

「課長でもビックリするくらい可愛いんですね、あの子」

木の下に冷やかされるが、私が驚いているのは、そんな理由ではない。


「栗原麻理と申します。 大学二年生です。 色々と至らない点があるかと思いますが、一生懸命頑張りますので、よろしくお願いします」

麻理は、元気よく挨拶をすると、深々と頭を下げた。

パチパチパチパチパチパチパチパチ。

男性社員がスタンディングオベーションで称える。

麻理はにこやかに愛想を振りまいていた。


歓迎ムードの中、私は冷汗が出てくるのを止められなかった。

「あれ、どうしたんです? 課長
汗びっしょりですよ」

「ああ……。ちょっと腹の調子が悪くなってきた
トイレに行ってくるよ」

まだ鳴りやまぬ拍手喝采を後に、私は執務室を出た。

とにかく、麻理と連絡を取らなければならない。私はトイレの個室に入り、麻理にメッセージを送った。

>どうしてうちの会社でバイトすることを黙ってたんだ?
>会社の中では初めて会ってという事にしておいてくれ




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