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不倫研究サークル
第11章 リケジョ
翌日。

僕は、いつものように講義へ出席し、昼食をたべようと学食へ向かっていた。

「森岡~」

声をかけてきたのは、不倫研の先輩、岡田だった。

「あ、岡田さん、お久しぶりです」

岡田とは、月に一回の『会合』と呼ばれるサークルの集まりで顔を合わせて以来であった。
それにしても、不倫研究会というサークル、人妻との合コンと『会合』以外に活動内容が良く分からないサークルだ。

あまり在籍する意義はないなと最近、思い始めていた。

岡田が声をかけてきた目的も、おおよその検討はついている。
ニ~三日前、第二回目の合コンを開催するという内容のグループメッセージが送られてきた。

僕はまだ返事をしていなかったので、そのことだろうと思った。
正直、また人妻と合コンなんて遠慮したい気分だった。

何しろ、僕は既に佳那と不倫関係にあるのだから。

「すみません、岡田さん、メッセージに返事できなくて」

「いいんだ、いいんだ、気にするな。
それより、森岡よ、今度の合コンは是非とも参加してくれよな」

「はあ……、それなんですが」

「ああ、分かってるって、今はそんな気分じゃないんだろ?
俺にも経験があるけど、失恋ってキツいからな」

先月の『会合』、小梢と別れたばかりで、僕は空元気を発していたのだが、直ぐに先輩たちに見透かされ、小梢と別れたことを話していた。

そのことを岡田は言っているのだろうとは、直ぐに分かった。

だが実際は、もうこれ以上人妻と知り合いになる事を避けたいだけだった。

何と言えば良いか、僕は口ごもってしまう。

「今度はな、うちのサークルには珍く、女子大生が相手なんだ」

岡田は、自慢げにニヤリと口角を上げた。




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