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不倫研究サークル
第10章 不倫
「佳那さん」
佳那を揺り起こすと、『うう~~ん、なに?』と呑気な返事をする。
こういう反応は陽菜とそっくりだと思ってしまうが、それどころではない。
「佳那さん、もう四時です。 陽菜が帰ってきますよ」
僕の言葉に、バっと佳那も飛び起きた。
「いっけなーい、ごめんなさい、わたしまで寝てしまって」
「ご飯もまだなのに、お腹空いたでしょ?」
「いえ、そんな事より、僕は早く帰らないと」
この時間までここに居る事は、不審以外の何ものでもない。
僕も、佳那も、慌てて脱ぎ散らかした服をかき集め、身支度をした。
佳那は、髪を整えながら、部屋の中をチェックし、急いでまとった衣服の乱れを正した。
僕も、自分の衣服の乱れを直し、同じように部屋の中を見渡す。
丸めたティッシュが散乱している事に気づき、慌ててそれらを拾い集め、くずかごへと放り込んだ。
「ごめんなさいね、ゆっくりできなくて」
「いえ、佳那さん、素敵でした」
「まあ……」
佳那は僕に抱きついてくると、唇を合わせてきた。
僕も応じるが、今度は柔らかい交わりのキスだった。
(キスにも、いろんな形があるんだ……)
いま僕らが交わしているキスはクールダウンのキス、そして、セックスの前のキスはウォームアップのキス。
さしずめ、セックスの最中のキスは、行為そのものに準じるキスといったところだろうか。
もっと、もっと、経験を積みたい。そんな思いが僕を支配していた。
「ねえ、圭君。こうやって、たまに愛し合えるかしら?」
「はい、僕も、こういう時間が欲しいです」
そして、再びキスを交わす。これは約束を交わすキスだ。
自分に好意を寄せてくれている女の子の母親であり、人妻である佳那と禁断の関係を結んでしまったことに、少なからず罪悪感を覚えたが、不思議と自責の念にとらわれることは無かった。
睡眠不足で麻痺しかけた思考に快楽を堪能したことが、おかしな答えを導きだしているのだろうか?
濃密で甘美なセックスが、有無を言わせず全てを肯定してしまう、そんな気がした。
もしかして、この説得力こそが、人が不倫に走る真因なのではないかとも考えた。
いずれも、詭弁だ。
僕は不倫を始めてしまったのだ。
ただ、自分を肯定したかった……。
佳那を揺り起こすと、『うう~~ん、なに?』と呑気な返事をする。
こういう反応は陽菜とそっくりだと思ってしまうが、それどころではない。
「佳那さん、もう四時です。 陽菜が帰ってきますよ」
僕の言葉に、バっと佳那も飛び起きた。
「いっけなーい、ごめんなさい、わたしまで寝てしまって」
「ご飯もまだなのに、お腹空いたでしょ?」
「いえ、そんな事より、僕は早く帰らないと」
この時間までここに居る事は、不審以外の何ものでもない。
僕も、佳那も、慌てて脱ぎ散らかした服をかき集め、身支度をした。
佳那は、髪を整えながら、部屋の中をチェックし、急いでまとった衣服の乱れを正した。
僕も、自分の衣服の乱れを直し、同じように部屋の中を見渡す。
丸めたティッシュが散乱している事に気づき、慌ててそれらを拾い集め、くずかごへと放り込んだ。
「ごめんなさいね、ゆっくりできなくて」
「いえ、佳那さん、素敵でした」
「まあ……」
佳那は僕に抱きついてくると、唇を合わせてきた。
僕も応じるが、今度は柔らかい交わりのキスだった。
(キスにも、いろんな形があるんだ……)
いま僕らが交わしているキスはクールダウンのキス、そして、セックスの前のキスはウォームアップのキス。
さしずめ、セックスの最中のキスは、行為そのものに準じるキスといったところだろうか。
もっと、もっと、経験を積みたい。そんな思いが僕を支配していた。
「ねえ、圭君。こうやって、たまに愛し合えるかしら?」
「はい、僕も、こういう時間が欲しいです」
そして、再びキスを交わす。これは約束を交わすキスだ。
自分に好意を寄せてくれている女の子の母親であり、人妻である佳那と禁断の関係を結んでしまったことに、少なからず罪悪感を覚えたが、不思議と自責の念にとらわれることは無かった。
睡眠不足で麻痺しかけた思考に快楽を堪能したことが、おかしな答えを導きだしているのだろうか?
濃密で甘美なセックスが、有無を言わせず全てを肯定してしまう、そんな気がした。
もしかして、この説得力こそが、人が不倫に走る真因なのではないかとも考えた。
いずれも、詭弁だ。
僕は不倫を始めてしまったのだ。
ただ、自分を肯定したかった……。