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不倫研究サークル
第5章 初デートはホロ苦く
陽菜は頭の回転が速く、感の鋭い子だ。安易に嘘をついてもバレるのは分かっていたのに、やり方を間違ってしまったと後悔する。

「ゴメン、陽菜。嘘をついて」

こういう時、どう取り繕えば良いのだろう? 残念ながら僕が持ち合わせていないスキルだ。
ならば、変に策を講じるより自分の思いのままに行動をするしかない。

「陽菜とはデートはできない。君はまだ子供だ」

言っておいて、その子供とキスをしている自分に矛盾が生じている事に気づき、言いなおす。

「いや、違うな。キスもしたんだし、まるっきり子供じゃないな。
分かった。明日じゃなくて別の日にデートしよう、ちゃんと時間を作るから」

「ほんとに!?」

「ああ、約束するよ。だから……、離れてくれないか?」

「ん? ねえ、圭。どうして腰が引けてるの?」

それは、下半身がJCの身体に反応してるからだ、なんてことは言えない。

「あ、いや、これはだな、実は、トイレを我慢してたんだ。あはは」

「なんだ、はやく言ってくれれば良かったのに。さっさと行ってきなさいよ」

そう言うと、ようやく陽菜は離れてくれた。僕はホッと安堵する。


「じやあ、トイレに行ってくるから、それまでに勉強の準備をしとくんだよ」

「はーい」陽菜は机に向かう。

僕も言った手前、トイレに行かなければならない。陽菜の部屋を出たのだが……。


(!!)

ドアの外に佳那がいた。

(マズい! 今のやり取りを聞かれたか? 見られたか?)

ドキドキしながら、心を落ち着かせる。そして、何事もないように「すみません、ちょっとトイレに行きたくなって」と愛想笑いした。

「あら、どうぞ。トイレはそちらよ」

そう言い、すれ違いざまに「今度、ご飯食べに来てね。圭君」と耳打ちしてリビングに戻っていった。




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