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不倫研究サークル
第5章 初デートはホロ苦く
(もう良いかな?)

だが、唇を離しても抱き着いたまま、なかなか陽菜は離れようとしてくれない。

「陽菜、もう良いかな? そろそろ勉強を始めようか?」

「分かった。勉強するけど、もう一つ」

「な、なにかな?」

どうにも嫌な予感しかしない。陽菜の次の言葉に、僕は戦々恐々とした。

「明日、お休みでしょ? ワタシとデートして」

(キター、やっぱりキター。 無理ゲーな要求だ!)

「陽菜、明日はダメなんだ。ちょっと予定があって……」

「予定って?」

この場合、馬鹿正直に小梢とデートなんて言ったら、せっかく良い感じなのに、またへそを曲げて反抗されかねない。

「だ、大学生ともなれば、休日と言っても色々とやることがあるんだよ」

「だから、何をするの?」


「えーと、その、レポートをまとめたりとか、自分の課題を済ませたりとか……だな」

少し苦しいが、もっともらしい理由が言えた。我ながら嘘が上手くなったと思う。きっと、こうやって皆、大人になっていくんだ、と納得した。

「ほら、家庭教師やっていると、自分の勉強時間がなくなるからさ、日曜日に集中して勉強するんだよ」

「ふ~~ん」

まだ陽菜は離れようとしない。考えてみれば、子供とは言え女の子と抱き合うのは初めてじゃないか? 自覚して、だんだんと下半身がマズい事になってきた。

(イカン! イカン! 子供相手に何を反応してるんだ!)

とにかく、陽菜と離れないと……、僕に焦りが生じる。

「嘘つかなくて良いよ……。カノジョとデートなんでしょ、どうせ」

(くっ! 相変わらず鋭い!)




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