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不倫研究サークル
第6章 一触即発
オープンキャンパスは、本来は受験を控えた高校生を対象に行われる。

僕が通う長谷田大学も、その日はたくさんの親子連れが訪れていた。

先ずは受付を済ませ、自分が興味ある学部を見学させてもらう。主にゼミや研究室を訪問し、そこで在学生や教授の話を聞くと言った流れだ。

陽菜に理系と文系、どちらに興味があるか尋ねたのだが、僕が所属する経済学部を見たいと言うので、経済学部の受付を探す。

ハッキリ言って、経済学部を見学しても何も面白いものはない。
僕としては理系の学部を見学したかったのだが……。


「あ、あった、経済学部。陽菜、こっちだよ」


一般教養の講義に使用されている号館の入り口に、学部ごとの受付があり、そこに経済学部の受付もあった。

予想通り、人気が薄く人もあまり並んでなかった。が……、

僕はそこで固まってしまう。


(小梢?)


なんと、受付の机に小梢が座っている。
しかも、にこやかに応対をしているではないか。人見知りである小梢が……、意外だった。


「あれ? あの人、圭のカノジョじゃない?」


(しまった! 早くも気づかれてしまった)

陽菜が途端に不機嫌な顔になる。目を細めて疑いの目を僕に見せた。

「なんでカノジョがいるとこにワタシを連れてくるのよ?」

「あ、いや、知らなかったんだよ、ホント」

陽菜は、僕の弁明に耳も傾けず、僕の手を握ると受付に向かってツカツカと歩き始めた。

「ちょ、陽菜」

「こんにちは。受付済ませたいんですけど?」小梢に声をかける。




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