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不倫研究サークル
第6章 一触即発
学部の説明会は退屈以外の何ものでもなかった。

一生懸命説明してくれていた教授やゼミの先輩方には悪かったが、僕も陽菜も爆睡してしまった。

「あ~、最近、寝不足だったから、寝ちゃったよ~」

「陽菜、せっかく連れてきたというのに君は……」

「圭だって寝てたじゃない」

しっかりと気づかれていた。

既にお昼を回っている。僕もお腹が空いたので、ランチをとることにする。

ランチは、もちろん学食だ。受付で貰ったランチ券を使えば、タダでご飯が食べられるのだ。


「ねえ、圭……」

 A定食の列に並んでいると、陽菜が不満を露わにしている。

「ワタシの扱いが雑過ぎない? タダのランチなんて舐められているとしか思えない」

「何を言うんだ、陽菜。 大学に行くと、お昼は学食で食べるだろ?
これも貴重な経験だよ」

しかし陽菜は、「せっかくの初デートなのに……」と拗ねて見せた。
ちょっと軽率だったな……と、反省する。

「ゴメン、陽菜。 今度、絶対にちゃんとしたデートをするから、今日は我慢してくれ」

「うん、信じて良いんだよね、圭」

「ああ、約束する」


慣れなのだろうか?
陽菜への態度が雑だったのは、女の子との接触に慣れてきたせいかもしれない。

今度は、いい加減な対応は出来ない。彼女も立派な女の子なんだ。単なる『生徒』ではない。
ちゃんと接しようと思った。

その時、メッセージの通知が鳴る。


『終わったの。 圭君、今どこにいる?』

小梢からだった。




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