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不倫研究サークル
第6章 一触即発
これはもしや、『修羅場』というものではないのか?

嘘とはいえ恋人の小梢と、僕を好きだと言って小梢を敵対視する陽菜が、僕と一緒にテーブルを囲んでいる。

小梢が来るというと、陽菜は『望むところよ』と受けて立つ気まんまんに待ち構えていた。

ほどなくして小梢が現れると陽菜は小梢を睨みつけ、敵意を露わにしている。
僕は、どうして良いか分からずに二人の顔色を交互に伺っていた。

「小梢さん……でしたっけ、なんでアナタがワタシと圭のデートを邪魔するわけ?」

「さっき言ったわよ。圭君が他の女の子と二人きりで出かけるなんて見過ごせないって」

二人とも一歩も譲らない構えだ。


陽菜は普段からの言動で好戦的な性格は分かっていたが、小梢が子供相手に大人げない態度をとるとは想像だにしなかった僕は、正直、戸惑っている。


そのうち、矛先は僕に向けられることになる。

「圭君。陽菜ちゃんにいい加減な態度で接してない?」

鋭い所を突かれて、僕もつい、ムキになる。

「いい加減って?」

「圭君が、陽菜ちゃんの言いなりになってその場しのぎで誤魔化してないかってこと」

「それは……」

ズバリ、その通りなので、なんとか反論の糸口を見つけようと僕の目が泳ぐ。

「圭君が女の子に優しいのは知ってるけど、時として相手の事を傷つける事だってあるのよ」

「それは……」

「それが、立場を逆転させて、陽菜ちゃんの側から見たら、弄ばれてるように感じるのよ、良かれと思っても、却って相手に酷い事をする事になるの。

ちゃんと分かってるの?」

いつにもまして饒舌な小梢に反論できず、僕もつい、意地になってしまう。


「そんな事、小梢が言えるの?」




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