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Devil Temptation
第13章 悪魔とクラウン
「おはようございます」

杏の元気な声が聞こえてきた。久しぶりのマンションで迎える朝だった。

「京介さん、朝はパンでいいですか?」
「お願いします」

俺は顔を洗ってダイニングに戻ると、コーヒーとハムトースト、それにサラダまで用意されていた。

「ありがとう!なんか申し訳ないな」
「何を言ってるんですか、社長の健康管理も私の仕事ですから」

杏はいつもの魅力的な笑顔を見せた。

「杏ちゃんのその笑顔だけでも十分元気が出るよ!」

俺も笑顔で返した。

「ところで、いつの間にベッドのシーツを変えたの?今朝気づいたけど…」
「札幌に行く前に…変えておきました…京介さんが床屋に行っている時に…」

つくづく杏の気遣いには感心させられる。

「今日は少し時間がありますが、どうしますか?」

夕方に一社契約があり、それまでは空いているらしい。
俺は杏に、車が欲しい事を伝えてみた。すると杏は笑顔でOK サイン。ただし、フェラーリやランボルギーニは税務署に睨まれるので、ダメらしい。

「これから買いにいきましょう。ご希望のお車は何ですか?」
「クラウンがいいかなと…」

俺は遠慮がちに言うと、

「トヨタ車ですね。いい車ですよね」

近くのディーラーに行き、社用車という事で、最高グレードのクラウンをオーダーした。オプション類は俺が選び、カラーやシートのデザイン等は杏の意見を聞いて決定した。また価格の半分を支払い、残りは納車の時に払うとして、オーダーした。海外での契約を済ませてから、納車してもらう事にした。
その後、国内最後の契約先に向かった。海外輸出の総合会社で、国内の製品をまとめて海外発送する業務を行なっていた。ここが今回の事業の要になるので念入りに打ち合わせをし、契約をした。ここでも杏の笑顔とプレゼンは光っていた。先方の質問に対して、全てに準備ができていることに、毎度ながら驚かされる。


To be continued .........
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