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体育倉庫のハイエナ
第4章 4
さて、話は体育倉庫に戻る――――。
泣きじゃくる奈津子を高跳び用マットに連れ戻した後、レンヤとマサムネは奈津子をそこへ仰向けに転がした。
それからレンヤは奈津子の左側に、マサムネは右側に寄り添った。
でも『寄り添う』という柔らかい表現は、ちょっと違うような気もする。
レンヤとマサムネは、どちらも片肘を付いて、肩から上をマットから浮かせている。
そうやって、泣きじゃくっている奈津子の顔を、面白そうに覗き込んでいるが、二人はその片肘の下でしっかりと、レンヤは奈津子の左腕を、マサムネは右腕を、それぞれ抑え付けていた。
今の奈津子を真上から見れば、きっとマットに磔(はりつけ)にされているように、見えるだろう。
だから『寄り添う』よりも『拘束している』のほうが、的を射ているように思う。
因みに仕事を終えた僕は今、マットの上に投げ出された三人の足元に座って、そんな三人を眺めている。
泣きじゃくる奈津子を高跳び用マットに連れ戻した後、レンヤとマサムネは奈津子をそこへ仰向けに転がした。
それからレンヤは奈津子の左側に、マサムネは右側に寄り添った。
でも『寄り添う』という柔らかい表現は、ちょっと違うような気もする。
レンヤとマサムネは、どちらも片肘を付いて、肩から上をマットから浮かせている。
そうやって、泣きじゃくっている奈津子の顔を、面白そうに覗き込んでいるが、二人はその片肘の下でしっかりと、レンヤは奈津子の左腕を、マサムネは右腕を、それぞれ抑え付けていた。
今の奈津子を真上から見れば、きっとマットに磔(はりつけ)にされているように、見えるだろう。
だから『寄り添う』よりも『拘束している』のほうが、的を射ているように思う。
因みに仕事を終えた僕は今、マットの上に投げ出された三人の足元に座って、そんな三人を眺めている。