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体育倉庫のハイエナ
第4章 4
 今、奈津子は二人に拘束された体を――初夏にもかかわらず――まるで真冬の寒空の下で、全裸で立ち尽くしているかのように、ギシギシと震わせている。

 恐怖のせいか、円らな目は大きく見開かれている。

 唇もやっぱり、その体と同じように、激しく震えていた。

 その震える唇で飽きもせず、奈津子はまだ容赦の嘆願を続ける。

「許してくださいっ、許して、くださいっ…許してくださいっ…許して、くださいっ…」

 僕はそんな奈津子を眺めて、心の中でせせら笑う。

(どれだけお願いしたって、ムダだよ…許してもらえるはず、ないだろ…??)

 やがて、長く奈津子の泣き顔を楽しそうに観察していたレンヤが、おもむろに口を開いた。

「奈津子ちゃんは、エッチの経験があるのかな?」

 そんなレンヤの質問に、奈津子は細やかな希望を見出したようだった。

「ありませんッ!」

 少し弾ませた声でそう答えた後、涙ながらに続けた。
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