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体育倉庫のハイエナ
第12章 12
「奈津子、好きだよ……」

 恋人にだけ与えられた特権のように、レンヤが奈津子のことを呼び捨てにして、そこに『好き』という愛の言葉を添える。

 レンヤは今、マットの上で仰向けに横たわっている奈津子の体に重なって、奈津子のバストに顔を赴けている。

 『好き』と囁いた呼び捨てで奈津子の名前を呼んだレンヤはそれから奈津子の右の乳首に、そっと口づけした。

 その後、右の乳首を舌先で転がしながら、左の乳首には右手の人差指の先を添えて、その指先を細かく震わせる。
 
 右の乳首は舌で、左の乳首は指先で――二つの乳首を同時に責められて、奈津子はレンヤの体の下で体を仰け反らせて悶えながら、必死でレンヤの愛の言葉に応えてみせる。

「私も好きッ!…あぁあぁんっ…レンヤ先輩のことが、大好きぃぃぃ……あぁっ、あぁっあっあっ…あぁぁん」

 もちろんレンヤが囁いた愛の言葉は偽りだけど、それを知る由もない奈津子は、至って真剣だ。

 さっきレンヤが告白してから、その告白を奈津子が受け入れてから、二人が晴れて恋人同士になってから、ものの数分しか経っていない。

 でも奈津子はすっかり、レンヤの虜になっていた。

 
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