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体育倉庫のハイエナ
第1章 1
実際のところ、奈津子は逃げ出さなかった――『逃げ出せなかった』と言うべきなんだろう。
引き戸まで辿り着いた、そこまででは良かったものの、それを開ける勇気を、それを開けてパンティ一枚で外に飛び出す勇気を、持っていなかった。
結局は、開けられない引き戸を前にして崩れ落ち、やがては、わんわんと泣き始めた。
レンヤとマサムネは、そんな奈津子の背中をニタニタ笑って眺めながら、ゆっくりとした足取りで、奈津子に歩み寄った。
レンヤは奈津子の左、マサムネは右の二の腕を、それぞれ掴む。
然る後に、うずくまった奈津子を、二人がかりで引き摺り上げた。
「やだぁッ!!」
途端、奈津子がまるで注射を嫌がる子供のように、首を激しく左右に振って泣き喚き始めた。
「やだやだやだやだッ…」
しかし二人はそんな奈津子の喚声をまるで意に介さず、やはりニタニタと笑いながら、悠々と高跳び用マットに連れ戻した。
引き戸まで辿り着いた、そこまででは良かったものの、それを開ける勇気を、それを開けてパンティ一枚で外に飛び出す勇気を、持っていなかった。
結局は、開けられない引き戸を前にして崩れ落ち、やがては、わんわんと泣き始めた。
レンヤとマサムネは、そんな奈津子の背中をニタニタ笑って眺めながら、ゆっくりとした足取りで、奈津子に歩み寄った。
レンヤは奈津子の左、マサムネは右の二の腕を、それぞれ掴む。
然る後に、うずくまった奈津子を、二人がかりで引き摺り上げた。
「やだぁッ!!」
途端、奈津子がまるで注射を嫌がる子供のように、首を激しく左右に振って泣き喚き始めた。
「やだやだやだやだッ…」
しかし二人はそんな奈津子の喚声をまるで意に介さず、やはりニタニタと笑いながら、悠々と高跳び用マットに連れ戻した。