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体育倉庫のハイエナ
第2章 2
今、僕の高校には、きっと一クラスの定員は十分に満たすくらいの素行の悪い不良、所謂“ヤンキー”がいる。
レンヤはその連中の、主導的立場に君臨していた。
マサムネは、レンヤに準ずる位置にいる――所謂”ナンバーツー”――だ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
例えばドラキュラが、往々にして美男子として描かれるように、世の中には凶悪ないし残酷な性格を、優れた美貌に転換し得る人間がいる。
レンヤは紛れもなく、その類の男だった。
切れ長の目と、筋の通った鼻、薄い唇が、柔らかそうな前髪の下にある細面に、美貌を発揮する上ではこれ以上は望めないくらい、見事な形で配置されている。
また背は高くて、細い体つきをしていながらも、その各々の部分――太い二の腕や厚い胸板、引き締まった下腹に逞しい太腿――は、目にする者を惚れ惚れさせて然るべき、雄々しさに満ちていた。
ついでに付け加えてくと、レンヤの勃起したペニスを目にした時、僕はいつも巨大な戦艦に据えられた大砲と、殺人鬼が愛用する鋭利なナイフを、同時に想像してしまう。
レンヤの勃起したペニスは、悪魔のそれのような邪悪な雰囲気と、その余りの迫力ゆえに、その前でひれ伏したくなるような神々しさを、兼ね備えていた。
変な話だけど、男の僕ですら、思わず見惚れてしまいそうになる時があるくらいだ。
だから、レンヤの勃起したペニスを目の当たりにした女子は、その誰もがまずは生唾を飲むか、あるいは感嘆の溜息を付く。
その後、それがこれから自分の秘部に突き刺さることに思いが及んで、恐怖に全身をガタガタと震わせながら、子供のように泣き喚いた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ところで――残酷かつ凶悪な性格への自信から生まれる、ある種の余裕とでも言えばいいんだろうか――レンヤの話し方というものは普段は穏やかで、物腰も柔らかかった。
でも、その物腰の柔らかさが、かえって彼の残酷な本質を、よりいっそう引き立てているように、僕には感じられた。
実のところ――ついさっき、奈津子の身体から退くのがほんの少し遅れて、僕を怒鳴った時にそうだったように――普段の口調が穏和だからこそ、怒鳴った時には迫力に満ちていた。
レンヤはその連中の、主導的立場に君臨していた。
マサムネは、レンヤに準ずる位置にいる――所謂”ナンバーツー”――だ。
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例えばドラキュラが、往々にして美男子として描かれるように、世の中には凶悪ないし残酷な性格を、優れた美貌に転換し得る人間がいる。
レンヤは紛れもなく、その類の男だった。
切れ長の目と、筋の通った鼻、薄い唇が、柔らかそうな前髪の下にある細面に、美貌を発揮する上ではこれ以上は望めないくらい、見事な形で配置されている。
また背は高くて、細い体つきをしていながらも、その各々の部分――太い二の腕や厚い胸板、引き締まった下腹に逞しい太腿――は、目にする者を惚れ惚れさせて然るべき、雄々しさに満ちていた。
ついでに付け加えてくと、レンヤの勃起したペニスを目にした時、僕はいつも巨大な戦艦に据えられた大砲と、殺人鬼が愛用する鋭利なナイフを、同時に想像してしまう。
レンヤの勃起したペニスは、悪魔のそれのような邪悪な雰囲気と、その余りの迫力ゆえに、その前でひれ伏したくなるような神々しさを、兼ね備えていた。
変な話だけど、男の僕ですら、思わず見惚れてしまいそうになる時があるくらいだ。
だから、レンヤの勃起したペニスを目の当たりにした女子は、その誰もがまずは生唾を飲むか、あるいは感嘆の溜息を付く。
その後、それがこれから自分の秘部に突き刺さることに思いが及んで、恐怖に全身をガタガタと震わせながら、子供のように泣き喚いた。
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ところで――残酷かつ凶悪な性格への自信から生まれる、ある種の余裕とでも言えばいいんだろうか――レンヤの話し方というものは普段は穏やかで、物腰も柔らかかった。
でも、その物腰の柔らかさが、かえって彼の残酷な本質を、よりいっそう引き立てているように、僕には感じられた。
実のところ――ついさっき、奈津子の身体から退くのがほんの少し遅れて、僕を怒鳴った時にそうだったように――普段の口調が穏和だからこそ、怒鳴った時には迫力に満ちていた。